さて、最近の日常生活では、インターネット、メール、などと言った会話が頻繁に聞かれデジタル化の波が押し寄せております。コンピューターをやらないと世間に取り残されてしまうのではないか?という危機感まで感じられる時代にこのコーナーでは、なぜドラフターの操作なの?と不思議に思った方もいらっしゃると思います。製図作業ではCAD(キャド)といったドローソフトも沢山あります。しかし、商業空間を設計するデザイナーは9割方アナログ思考、鉛筆と紙でプランニングする者がほとんどで、それを具体化するのにドローソフトなどが使われ、おおかたの絵を書きプランするデザイナーと、それを詳しく仕上がるようにするための設計者と分かれる場合もあります。デザイナーはプランするのにあたり、たんに、デザイン性だけ追求するのではなくて、機能性あるデザインをこころがけ、売り上げアップにつながるものをつくりあげなくてはいけません。そのため、フリーハンドで自由度が効く技術を身に付けておく必要があり、コンピューターに納められたプログラミングデーターをただレイアウトするだけでは発想が貧困になりがちです。ここでは最初にデザイン作業に必要なアナログ的な手法を説明し、その後、実際に製作段階に力を発揮するデジタル手法を紹介していきます。サイン業界やDPEの世界ではもはや、デジタル技術は欠かせないものでコストパフォーマンスの面でみても業務の電子化はさけられません。客の要求も正しく理解し、分析できるコンサルテイング能力を身につけるにはアナログ技術、デジタル技術両方そなえた力も必要でないかと考え記事にしてみました。クライアントと打ち合せを、現場などで行う場合、「どういう形の看板にするの?」とか「どういう店構え(ファサード案)を考えているの?」と聞かれた場合すぐに紙とペンをもって、スケッチできるテクニックはクライアントを説得させる力につながります。ここでは、製図台(ドラフター)をもとに、基本となる線の引き方から紹介していきます。
喫茶のフアサードプラン。

10種類程度のマーカーとペンがあれば、フリーハンドでパースを書く事ができます。上記のようにクライアントにすぐその場で説明しなければいけないときに便利です。最初のプレゼン段階でラフな構想を打ち出す時にも使われます。定規を使って線を引く練習を積み重ねれば定規を使わなくてもある程度の線は引け、左図のようなラフな絵に仕上げられます。

なにも無い白紙の段階からデザインしていく事が多いので、ある程度、頭の中で平面構成と立面構成を描き実際に書いていく訓練が必要です。そのためには細部にわたる納りも知っておく事が大事だと思います。(オーナーと直接打合せする場合、その場で、描けるデザインテクニックをもっていれば、説得力も増します。)
手順 トレーシングペーパー
設計図を書く際に使われる、紙”トレーシングペーパー”は写し書きにも使え青焼した際に寸法の狂いも無いことから、設計図用紙によく使われる。紙質は固くもなく、柔らかくもない中間紙が良いでしょう。
製図台(ドラフター)
設計製図でもっとも多く使われる製図台がドラフター。アーム式や、トラック式平行定規などがある。

定規は一般的にS=1/1(1/10),1/2(1/20)が定規の上下に刻まれており、S=1/3(1/30),1/5、(1/50)がある。(図1参照)

ドラフターは平行垂直移動による作図操作になりますので製図台と
定規の間隔を平行に保つ。

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